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11月, 2021の投稿を表示しています

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  夢のはなし。高台に座っていると、坂道を巨大な赤い箱が転がって来て、下の集会所で止まった。そのあとに続いて黒い車が止まると、人が降りて来る。男はこれから宴会がある、参加しないかと周囲にいる人々を誘ったが、箱が怖いので、みんなで階段を駆け下り脱兎のごとくその場を逃げ出した。

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夢のはなし。帰り道、引っ越し先が分からなくなり、路地に迷い込んだ。どの路地にも小さな店がひしめき、おばちゃんであふれていた。 

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  夢のはなし。列車の窓から友人の姿が見えたので、その駅で降りた。見知らぬ町、待ち合わせをしていた友人はいなかった。暗い路地、怪しげな店、違う駅、あちこちさまよっているうちに、何度か友人とすれ違ったような気がする。

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  夢のはなし。砂地の水たまりは草原の奥の湖とつながっていた。湖には白い水鳥が休んでいる。背後にはアパートが建ち、こんな所に住んでみたいとみんな思った。窓から湖を見てみたいと見知らぬ人の部屋を訪ねたら、なぜかお寺が見えた。

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  夢のはなし。窓ガラスを高波がたたきつけている。部屋の外は海なのだ。波が段々高くなり、この次襲われたら窓ガラスが割れるだろう、と感じた瞬間に目が覚めた。

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  夢のはなし。新興宗教のコミュニティにいる少女が身体の異変を訴えて、各国を転々とする映画を家で観ていた。日本に来た所で、少女を追いかけて外へ飛び出すわたしたち。横文字のタイトルはもう思い出せず。

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  夢のはなし。何の花か、小さな白い花畑が斜面に続いていた。(俯いて、クリスマスローズに似ていた)。見せたい人がいたけれど、声もかけることができずに、その人は行ってしまった。

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  夢のはなし。家に隠し部屋が二つあって見知らぬ人たちが住んでいる。一方で、裏手にある施設では「犬神家の一族」が等身大にそのまま展示されていた。

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  夢のはなし。知っているようで知らない道を自転車を漕いでいくと、赤いランドセルを背負った小学生の一団。少女たちを追うように道路を横断すると、光る水が見える。脇道を降りれば都会の中にひっそり湖があった。

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  夢のはなし。カーニバルだった。なぜか道ではなく、河を歩いて赤と黄の道化服の一団が通って行く。それを高台から何気なく見ていた。

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  夢のはなし。何者かに追われていた。仲間たちとエスカレーターを上がり、さらに秘密の上の階へ行こうと小部屋に入る。そこにいた人に指示されて黒いビニール袋をかぶり長椅子に横たわると、次の瞬間には扉の前にいた。仲間たちは中央の扉から出ようとしたが、迷わず右端の扉を出る。なぜならその向こうのもうひとつの扉から青い目の修道士の顔が覗いたからだ。その部屋にはたくさんの人々がいて集会が終わろうとしていた。リーダー格のポロシャツの人に「まだ半時です」と言うと、「それではまだ続けなければな」とその人は言った。

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  夢のはなし。美しい男性漢服を着る。上衣が長い侠客衣装で、夜明けのような紺色だった。何かの集会に出ようとしているらしい。ただしコスプレではない。

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  夢のはなし。「花の街」という名の地下街に階段を降りて行く。唱歌が頭をかすめたが、似ても似つかない、そこは廃れた寂しいところだった。

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  夢のはなし。道がいきなり切れると、湖が視界に広がった。湖上にはひとつの集落のように家が立ち並んでいる。教会もあった。屋根も湖面も日の光を浴びて、きらきらと眩しいのだった。

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  夢のはなし。旅行をしていた。電車は風景が見渡せる高台を走っていて、窓からちょうど花時計が見下ろせた。けれど、時間は分からなかった。

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  夢のはなし。秋の風景のなかにいる。樹々は色づき、空は青い。陽光に満ちたまっすぐな道のすぐそばで腰かけていた。丘に続く脇道には銀のススキが光っている。デジャヴ。これはいつか写真で見た風景なのだと気づいた。

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  夢のはなし。人々が巨大なぬいぐるみの頭(鳥のようだった)を持参して家に押しかけた。これをかぶって祭りに参加しろと言う。頑として断った。

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  夢のはなし。お寺の母屋の一角で蛍光灯が点いていると思ったら、ぱっと消えた。すると、堂内から盛大に読経が聞こえて来る。入り口には信者がすでに集まっていて、近くにいた人人も我先に押し寄せる。かきわけるようにその場から離れた。

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夢のはなし。地下道を抜けると、夜空にぱっと花火が上がっていた。感動もつかの間、よく見ると、それはスクリーンに映っていた映像だった。

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  夢のはなし。会場に宇宙からやって来たという球体があった。透明な中に鳥の卵のように何かがいた。ふと目玉が動いてこっちを見て認識したようだった。「あなた選ばれたのね」近くにいた人が囁く。その場を離れたが、何に選ばれたのかは不明である。

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 夢のはなし。小さな子供に戻って、幼なじみの男の子と笑ってじゃれ合う。学生服を着るようになっても、あなたと戯れた。けれど、現実には見知らぬふたり。

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  夢のはなし。そこには梯子状のものや上階へ行くいろいろな階段があった。どれでも好きなものを選んでよいと言われ、木製の扉の裏側にある古びた木の階段を上る。たどり着いた階には本棚や机に本がびっしりと置かれていた。どれも好みのものばかりだった。

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  夢のはなし。誰もいないはずの部屋に電灯がついている。しばらくして見ると、襖が閉まっていた。別の部屋でも同じことがあった。

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  夢のはなし。友人たちと連れ立って小高い斜面にある廃墟群を見に行く。教会をはじめ、廃れた民家が木立に点在しているのだ。今は公園になっており、連休のため、出店も出て、家族連れがいっぱいいてにぎやかだった。普段は誰もいない寂しい場所だと知っている。

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  夢のはなし。銭湯に行ったら温泉地になっていて、馬たちの浴場もあった。小型馬を連れた客と言葉を交わす。湯屋の入り口で紙を渡され短歌を書くことを強要されるが、下の句が思い出せなくて俳句になった。「馬のお湯さわやか香る秋の暮れ」

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 夢のはなし。エレベーターに乗り込んだら床が透明になっていて下が見えた。乗り合わせた数人とまさか!と思ったとたん、すごい勢いで降下する。身体にGがかかって、思わずしゃがみ込んだ。

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  夢のはなし。お寺だった。傾斜のきつい階段を上りきると、住職が待っていた。中に入ると、参列者の前方の板の間に位牌が二つ置かれている。そのひとつにはロザリオが巻き付いていた。見ず知らずの男女はイタリアで死んだという。十字架を見ているうちに、涙がこみ上げてきた。

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  夢のはなし。アーケードの隙間から、歩きながら巨大な建造物を見上げている。黒と白のモダンな灯台だ。私たちはみな灯台を目指して歩いている。それは人生のようだった。

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  夢のはなし。ちょうど赤信号だった。横断歩道の前で待っていると、大通りの向こうからマラソンランナーの一団(外国人選手もいた)がわさわさ走って来た。するといきなり左折して目の前の横断歩道を渡って、こちらに目がけて一目散に走って来るではないか。寸前でよけた。

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  夢のはなし。顔も分からない人と寄りそって歩いている。小さな商店街を抜けると、一人の少女が「私の夢はガラスを作ることなの」と囁いた。古びたガラス工房があり、木のテーブルにはすでに出会っているはずの、見知らぬ彼が座っていた。奥には青色を内包したガラス玉がいくつもぶら下がって。

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 夢のはなし。見知らぬ誰かから土地を譲渡された。その土地は隠れ里のような所で、いくつもの集落が点在していた。塀や防風林で囲われているもの、湖上に浮かんでいるもの、水没しているもの。車を飛ばしてめぐっても果てしがないように思われた。

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  夢のはなし。バスに乗っていた。街の角を曲がろうとした時、古びた喫茶店が窓向こうに見えた。「英国紳士殺し」と店看板には書いてあり(いたずらではありません、の注意書き)、窓際で一人の紳士が今しもティーカップを口に運ぼうとしていた。スロウモーションのように。

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  夢のはなし。駅。人々が集合している。あのひとと何気なく待ち合わせをしていた。視線を交わす。これから少しのあいだ、別れるあのひとに手のひらのコインをあげる。目印になるように。再び会えるように。